Dr.luce
「ダメだよ。もしも、本当の親子だったとしたら逆に僕たちが訴えられてしまう。まだジェニファーさんが誘拐された子どもだという確証はないんだ」

「そうですね……」

時計の秒針がやけにうるさい。心臓がドクドクと鼓動を早めていく。ルーチェは、チラリとジェニファーの寝かされているベッドを見た。ジェニファーに男女が話しかけている。側から見れば、病院に搬送された我が子を心配する親だ。

「一体、どう確認すれば……」

ルーチェが白衣を握り締める。すると、黙り込んでいた一花が「そうだわ!」と言いながら顔を上げた。

「ルーチェ、クラル、いい案を思いついたの!」

それは、女性である彼女だけが行える方法だった。








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