初夜で妻に「君を愛することはない」と言った私は、どうやら妻のことをめちゃくちゃ愛していたらしい

8 結婚休暇7日目:震える愛の巨匠な私


 結婚休暇7日目。

 ちゅんちゅんという小鳥の囀りと太陽の光で、私は目を覚ます。

 私がいるのは共寝用の部屋ではなく、夫用の寝室だ。もちろん、隣にステファニーはいない。

 しかし、素晴らしい朝だ。なんといっても今日は、ステファニーがこの別邸にいるのだから!

(早く朝食に向かわなければ!)

 起き上がっていそいそと侍従を呼び、顔を洗い、着替えをする。
 ちょっと早起きをし過ぎたようで、侍従が苦笑いしていた。仕方ないだろう、楽しみだったのだから!

 何せ、皆の助言と書物による学習により、私は非常に成長した。自分で言うのもなんだが、私はラブマイスターと言っても差し支えないぐらいだと思う。後は実践をこなすのみだ。学んだことを実際にやってみるこの瞬間、しかも結果として楽しい夫婦生活が待っている、なんと素晴らしい時間なのだろうか!

 ウキウキしながら、私は部屋の中をうろうろしたり、妹達に差し出された書籍を読み直して復習したりと、アップを開始する。

(……そろそろ……うん、そろそろだな)

 頃合いを見計らって、食堂に向かい、席に座った。
 あまりにイソイソと落ち着かない様子の私に、別邸に配置された若い侍従侍女達が肩を震わせながら目を合わせてくれないが、そんなことは気にならない。

 ステファニーは、まだだろうか……。

「若旦那様。若奥様が来られました」


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