ヴァンパイア少女の話
7緊急事態




 体育の時間に晶が倒れたのは、自然な流れといえば言えなくもなかった。


 晶は、この6年間、血を飲んで居らず、頭痛や吐き気は薬で誤魔化して、それでもいつも、普通に登校していた。


 リレーで走っている最中、わ、と吐き気が来て、頭がぐらりとした時にはもう遅かった。

 医務室に運ばれた晶を採血して、先生は珍しい病気────患者をヴァンパイアと呼ぶ、人の血を飲まなければ死んでしまう病気を、晶に見つけたのだった。













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