今日から私は何かに夢中!

最高の『タイミング』で

 創作する際の『ヒラメキ』が、シャボン玉の泡のようなものだとしたら?

 うおっ!
 ひらめいたぞー!!

 シュー……
(↑ ストローから飛び出します!)

 ぽよん!
(生まれましたー!)

 どうにかまるい形になったものだけが、フワフワ漂いながら、空中へと浮かび上がりますよね。

 生まれずに、形にならないものも、たくさんあると思います。

 運よくその姿を自分で見つけることが出来ると、丸くてつややかで七色に輝くその姿を「わぁ!綺麗!」って言いながら、絵に描くことが出来るかも知れません。

 または、小説に出来るかも。

 『何かの瞬間』に化学反応のようなものが起こり、『がしっ!!!』とそれを自分自身で捕まえて、形にする行動を起こさないと、作品は生み出せない気がします。

 泡は生まれているのに、長時間フワフワ漂ってくれているのに、自分ではそれに気づけないまま、はじけて消えてしまう場合もあると思います。

 生まれた!と思ったらその瞬間に、消えて無くなってしまうものも、あるかも知れません。

 とびっきりいいものが生まれたはずなのに、それを消えるまで放置してしまう事もあるかもしれず、何だか勿体ないですね。

 作品づくりって、『タイミング』に影響されるという気がしてなりません。

 人によってこの問題は異なると思うので、それぞれの捕まえ方(メモ取るなど?)を編み出すしか無いのかなぁ、と思ったりもします。

 まったく逆の話をします。

 私は最近まで、インターネット通信販売の会社で働いておりました。

 そこで、カスタマーサービス担当という接客業務(主にお客様からの問い合わせや苦情の電話やメール対応)をしておりました。

 「いつまでに届きますか?」とか、「この商品、どのくらいの大きさですか?」という質問に答えたり、苦情に対応する仕事です。

 苦情の内容にも、色々な種類があります。

 大体はお客様がおっしゃる通り、商品に傷があったり汚れがあったり、使用できなくてご連絡いただく場合が多いので丁寧に謝罪し、対応していました。

 でもそれとは別に、きちんとした説明をした上で販売しているにも関わらず、それを確認しないまま商品を購入し、「ちょっとー!この商品なんなのよ?どーしてくれんの?!!」と、感情のままに、わめき散らすお客様もいました。

 たいていはこちらが冷静に『こういった商品でございますので、どうかご了承くださいませ』とか、『こちらのページにて、ご説明させていただいております』などお伝えすると、納得してくださるのですが。

 たまに、こちらの言っている内容を全く聞いて(読んで)くれないばかりか、どんどん怒りがエスカレートしてくる方もいらっしゃいました(涙)。

 こちらが長々と『説明』をした事に対し、「反発された!」あるいは「何なの?弁解なの?」という気持ちと怒りがこみあげてしまったのでしょうか。

 こうなってしまうともう、実はお手上げなんです。同じ仕事を担当しているカスタマーサービス担当内か、会社で指揮を執る人に相談し、『別枠』でそのお客様を対応するしかなくなります。

 どうするかというと、社内で色んな意見を出し合って、そのお客様に適した対応方法を検討するしかないんですよね。

 そういう方はたいてい、何度も何度も同じ事を言ってきます。こちらの説明に耳を貸そうとしないからです。

 通常の場合にしている説明や、わかりづらかった事に対するこちらの謝罪の言葉などは、『この瞬間の、このお客様』には全く届きません。

 電話やメールを最初に対応した人間かその上司が、最終的にそのお客様へ連絡を取るしかありません。

 連絡する直前はドキドキして、冷や汗が出て、気が気じゃないですけど。

 会社側としてはこの場合、お客様に納得していただくしか無いのです(涙)。

 それがですね、実に不思議なんです!

「どーするどーするー?」って社内で相談しているうちに、なぜか解決してしまう場合があるんですよ。

 時間がいくらか経過すると……。

 お客様の怒りがおさまったり。

 お客様ご自身が「自分が間違っていたんだ!」ということに、突然気づかれたり。

 お客様が、もう別のことに気を取られたりして。

 ドキドキしながら担当者が電話したりメールの返信をする頃には、すっかり優しくなっている場合が多かったりするんですよ(笑)!

 私、これもシャボン玉みたいだと思ったりするんです。

 生み出したものが、弾けて(あるいはしぼんで)無くなったらしいです。

 お客様はご自身の勘違いにより、一番悪いタイミングで、世に出さない方がいい『苦情』を、生み出してしまったんですよね。

 もっと時間をかけて慎重に、言葉にする前に考えれば良かったのに。

 そうすればカスタマー担当の気持ちをここまで翻弄し、傷つけずに済んだかも知れないのに。

 まぁ、カスタマー担当は仕事でやっているわけですから、苦情を受けるのは当然なんですけれど。

 生み出さずに済んだろー(怒)! 
 
 と、全員で叫ばずにはいられない時も、ありました。

 でもそんな経験全てが、自分にとって作品を作る上で欠かせない、大切な材料になってくれました。

 その瞬間を、逃さないこと。
 
 形にする前に、よく考えること。

 時として間違いも起こる。

 その時はきちんと受け止める。

 今後どうするかを考える。

 また生んで、キャッチする!

 丸くてつややかで七色に輝くその『シャボン玉』を形にしたあと、誰かに「わぁ!綺麗!」と言ってもらえますように。

 楽しんで作れますように。

 いつもその気持ちを、忘れずにいられますように。
< 15 / 48 >

この作品をシェア

pagetop