今日から私は何かに夢中!

『魅力』には要注意!

「私って『恋多き女』?」

 って、悩んだ時期がありました。
 それはじふちゃんの、少女時代。

 今回、恋バナではないんです。

 私が人の『魅力』に引き寄せられやすい、というお話なんですよね。

 自分自身のことがよく分からない時は、疑問が増えるばかりでした。

 『初恋』めいた気持ちを体験したのは、小学校3年生の時です。

 同じクラスのA・M君だけが、いきなり輝いて見えたんですよ。

 別に仲が良かったわけでも、彼から優しくしてもらったわけでも、遭遇する機会が多かったわけでもありません。

 なのに何故?

 思い当たることは何?!

 クラスの中で、彼がとても目立つ存在だったからでしょうか。

 明るくて活発なスポーツマンタイプで、彼が当時は大人しかった自分とは真逆の、大きな声ではっきり喋る男の子だったからでしょうか。

 何だか良くわかりません。

 困ったことに。

 彼に近づいただけで、心臓がどきどきしてしまいます。

 言葉を交わす機会があったとしても、うまく話せなくなってしまいます。

 家に帰ると、彼の事ばかり思い出してしまいます。

 9歳のじふちゃん。
 友達に相談するするー。

「この気持ちってなんだろー?」

「あー、それは恋だよ!じふちゃん」

 おませな友達、ずばっと解決!

 そっかぁ。
 これが恋か!

 恋って、つぶつぶイチゴ?
 恋って、すっぱいミカン?

 こーんな気持ち??

 ……その時は、それで納得。

 でも。こういう経験が、私には数えきれないくらいありました。

 えー。

 これって何?
 勘弁してよー。

 すぐ顔が赤くなっちゃうし!

 意識しちゃうと、うまく話せなくなっちゃうじゃん!

 転校を繰り返して元の街に戻った時に、再会した優しい幼馴染に、いきなりときめいた事もありました。

 隣の席になった学年一の秀才さんに、キュンキュンした事もあります(風の噂によると、その方は東大に入られたそうです)。

 趣味の話で盛り上がった1学年下の、可愛い後輩男子が気になって仕方なかった事もあります。

 玉砕でしたが、そのうちの一人には、(電話で呼び出して)自分から告白した事もありました。

 今にして思うと、それらはアイドルに憧れる気持ちと同じでした。

 だって納得できないですよ。

 彼らの雰囲気に、惹かれてるだけってことでしょ?

 ちょっとしか話をした事が無いのにどうして、どきどきしちゃうのー?

 それらがようやく本物の『恋』では無かったんだと、自分なりに解決できたのは、ずいぶん年を取ってからでした。

 創作を再開した時の事です。

 最初は恋愛ものを書いていたので、こう思いました。

「カッコいいアイドルのお兄さんたちはイケメンぞろいなんだから、アイドルに夢中になって、キュンキュンを取り戻そう!」

 うう。
 おバカ丸出しの発想(笑)!

 そもそも『夢中』は自然とそうなっちゃうもので、なりたくてなれるものじゃ、なかったんですけどね。

 早速。

 当時の、超人気アイドルグループのテレビ番組を追っかけました。

 さらに、その後輩グループの一人がすっごく可愛かったので、そのグループのファンクラブに入って、コンサートに行ったりもしました。

 なかなか楽しくて、最初は夢中になれたんですよ。うちわに「大好き」っていうシールを貼ったりしてね(笑)!

 みなさん、超イケメンさんです!
 目の保養になってくれて癒される!

 コンサートに行く前などは、私のおバカな趣味に付き合ってくれる優しい友達と一緒に、カラオケで盛り上がったりして、テンションMAXになれちゃいました。

 でもすぐに冷めちゃいます。
 なんでなんでー?

 どうも、その理由とは、今のアイドルの方々がバラエティーをはじめとする、数多くのテレビ番組に出演されている事が、原因のようなんです。

 あくまでもこれは、私の場合に限りますが。

 大昔みたいに、コントやドラマや歌番組だけに出ていて下さればまだ、良かったんですよね。

 コンサートは大好きなんです。
 カッコいいから。王子様だから。

 ドラマやコントもいいんです。
 演じていらっしゃるだけだから。

 でも、バラエティーはNGです。
(繰り返しますが、私の場合です)

 そのアイドルさんの『素顔』が、見えてしまうから。

 夢に出てきて欲しくなる、カッコよく歌って踊れるアイドルのお兄さん達は、私の『理想通りの王子様』でいてくれなきゃ、嫌だったんです。

 『理想』を外れてしまうと、とたんに冷めてしまう。

 それって恋じゃないですよね。

 『恋』に恋する気持ちです。

 もっといえば。

「この人の雰囲気は、自分が書いている作品の『○○君』のイメージ!」

 って、当てはめる気持ちに、近いんですよね。

 考えてみれば、『創作をしたいから』『恋みたいなキュンキュンを取り戻したいから』という不純(?!)な動機が発端です。

 あ、それってもしかして。

 今、私が夢中になっている『声優さん』にもいえる事だし、昔好きだと思っていた男の子たちに対する気持ちも、大体はこんなドキドキだったよなー。

 素敵な女の子に、ドキドキを感じたこともあるし。

 女性のアイドルにも、ときめいた事があるし。

 そっか。

 あれって、本当の『恋』じゃなかったんだー。

 んじゃ、なんだったんだろ。

 取りつかれただけ?
 ……彼らの魅力に?

 夢中になりたかっただけ?

 ただそれだけの事?

 一旦気になっちゃうと、やっぱり知りたい。

 話しかけたいし、色々聞かせてもらいたい。

 恋とは違うとハッキリわかったのは、本物の『恋』をちゃんと知ることが出来たせいもありますけどね。

 魅力的なみなさーん。

 どれだけ『夢中』をくれますか?

 なんてねー!
 

 


 
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