ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
果てなく、妖しく…/その9
麻衣




「ねえ、勘弁してよ。私が頭悪いの、麻衣も知ってるじゃん。思い出せないよ。向こうが言い忘れたってこともあるしさ、麻衣」

久美はすでにブルブル震えながら、ベチャべクチャ言い訳してるわ

「そうだったな、久美。お前はアタマの中は空っぽ、腹の中は真っ黒だった。うっかりしてたよ。ならヒントだ。”挨拶”の前にあっただろ、漢字で二文字、ひらがな一字だよ」

私がそう言うと、このバカ、やっと気づいたようだ

「ああ、麻衣、思い出したよ。”丁重な”だった。そうだろ?」

「そうだ。久美、正解だよ!これからがその三文字分だ」

バシーン!

ポケットから右手を抜いた瞬間、久美の頬に張り手を見舞ってやった


...



「うわー、麻衣、許してよ…」

久美はそのまま泣き崩れて、しゃがみ込んじゃったわ

「久美、立て!しっかり丁重にご挨拶なんだ、こっちは。オラー!」

私は久美の茶色に染まった短めの髪を掴んで、無理やり立ち上がらせた

そして今度は頭突きを一発だ

「ぎゃー!」

頭に手を当てて、久美はもう絶叫状態だ

「もうやめて!私が悪かった。謝るから。許して―」

「テメエ、悪かったって認めてんのか?じゃあ、何なんだよ、その悪いことって?」

「私が南玉割ったことだろ?すまなかったよ。祥子の下じゃなくてやりたかったんだよ、ただ私はさ…」

「はあー?それだけかよ!テメエ、記憶力ますますゼロだな、この野郎が!」

バシン!バシン!

お次は往復ビンタを見舞ってやったわ


...


「ギャー!わー!やめてー!」

「うるせーよ、テメエ!答えろ!それだけかって聞いてんだよ、久美!」

「あわわっ…、はあはあ…、私、麻衣のことクスリで廃人状態になってるみたいだって…。ホテルみたいな病室で豪勢にやってるとかも…。それで、南玉に復帰も考えてるって言いまわった。それから…。他にもあるけど、ああ、ごめんよ!ホントに悪かったよ!」

久美はもう半狂乱状態で、道路に這いつくばって頭を抱えてる

「久美…、もう暴力は振るわないから、顔あげな」

「あわ、あわっ…、うん…」

ゆっくりと久美は顔をあげた

目は真っ赤で、唇ブルブル、鼻水べっしょりだ、コイツ…



...



「さっき、真樹子さんに会ってきたよ」

「えっ?」

コイツ、一瞬涙が止まるくらいたまげてやがる(爆笑)

「まず、お前に制裁を加える同意をもらったんだ」

ここで久美は力なく再び俯いて、シクシクと泣いてる

「だけどな、なるべく手加減してやってくれって、何度も言われたよ。あの人はお前のこと、本当に妹のように思ってくれてるぞ。今日も久美はバカだけど、今でもかわいいヤツだと思ってるって言ってた。だから、お前が南玉出て、周りから反感買うことも承知で協力を承諾したんだよ」

「わー、私…、やっぱりバカだ。真樹子さん…」

ここで私はしゃがんで、久美の肩に両手を当てた








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