別れさせ屋の仲間になった私の結末
Card 31 ♦︎ サメタカンガエ
──翌日の放課後。
「本当にこれだけしか撮ってねーの?」
「……はい」
メッセージアプリを使って公園での写真を送った私は、あからさまに表情をゆがめたキングにビクビクしていた。
「連打で同じ写真ばっか。こんだけで別れさせられると思う?」
「……っ、無理かな?」
「無理に決まってるだろ。撮れる場面、もっとあったはずだけど? ターゲットが俺の髪を触ったときとか、結構時間を稼いだのに」
「……ごめん。そこは見てなかったかも」
私の返事にキングは険しい表情をする。
苛立ちからか、ソファーに腰かける彼は長い足をガタガタとゆすり始めた。
「まーまー。確かにこれだけじゃ弱いけど、私が撮った写真もあるんだし、十分でしょ?」
割って会話に入ってくるサキちゃんは、今回の依頼用にと作った3人だけのトーク画面に8枚の写真を流してきた。
「……」
商店街を歩くふたりの後ろ姿から、雑貨屋で楽しそうに過ごす場面。頬をつねられるターゲットの顔写真もあった。
それらのどれを見ても、一緒にいるキングの顔ははっきりとわからない状態で、けれど、男の子と親しげであることはひと目でわかるものばかり。
ターゲットの顔写真も、男の子だとわかる大きな手はきちんと入っていた。
そして、いちばん最後の写真は……キスシーン。公園でも同じように顔を近づけていたけれど、またやってたんだ……。
「本当にこれだけしか撮ってねーの?」
「……はい」
メッセージアプリを使って公園での写真を送った私は、あからさまに表情をゆがめたキングにビクビクしていた。
「連打で同じ写真ばっか。こんだけで別れさせられると思う?」
「……っ、無理かな?」
「無理に決まってるだろ。撮れる場面、もっとあったはずだけど? ターゲットが俺の髪を触ったときとか、結構時間を稼いだのに」
「……ごめん。そこは見てなかったかも」
私の返事にキングは険しい表情をする。
苛立ちからか、ソファーに腰かける彼は長い足をガタガタとゆすり始めた。
「まーまー。確かにこれだけじゃ弱いけど、私が撮った写真もあるんだし、十分でしょ?」
割って会話に入ってくるサキちゃんは、今回の依頼用にと作った3人だけのトーク画面に8枚の写真を流してきた。
「……」
商店街を歩くふたりの後ろ姿から、雑貨屋で楽しそうに過ごす場面。頬をつねられるターゲットの顔写真もあった。
それらのどれを見ても、一緒にいるキングの顔ははっきりとわからない状態で、けれど、男の子と親しげであることはひと目でわかるものばかり。
ターゲットの顔写真も、男の子だとわかる大きな手はきちんと入っていた。
そして、いちばん最後の写真は……キスシーン。公園でも同じように顔を近づけていたけれど、またやってたんだ……。