祝福のキスで若返ったかつての英雄に、溺愛されることになった聖女は私です!~イケオジ騎士団長と楽勝救世の旅と思いきや、大変なことになっちゃった~
 あ。そんなに? というか、魔物の名前初めて聞いたけど?

「テスカトリポカって……どんな魔物なの?」

 なんだか言いにくい不思議な名前だけど、異世界っぽくもある。ジュリアスは難しい表情で、真面目に答えた。

「巨大な大蛇です……尻尾に捕まれば、人は死ぬしかありません」

「……結界の中で大人しくしてます……」

 私は怯んでそう言えば、ジュリアスは苦笑して微笑んだ。

「そうしてください。僕も聖女様が心配で気が気ではなくなりますから……慣れているので、大丈夫ですよ」

 ジュリアスって、そんな巨大な大蛇にこれまで三戦三勝なの? 格好良くて惚れ直すしかない。


◇◆◇


 えっ……思ってたより、大蛇だったー!!

 攻撃が完全無効化する最高の結界に護られている私は、五階建てのビルよりも高さのありそうな蛇を見上げていた。これも少し顔を上げただけっぽいので、もっともっと長さがあるってことでしょう?

 ええ……全長何メートルあるの? サイズ感が完全におかしくない?

 私が驚いている間にも、開始された戦闘は進む。

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