祝福のキスで若返ったかつての英雄に、溺愛されることになった聖女は私です!~イケオジ騎士団長と楽勝救世の旅と思いきや、大変なことになっちゃった~
「ジュリアス! あ。戻ってる……?」

 そうなのだ。すぐ傍に居たジュリアスは、イケオジに戻っていた。精悍な顔は渋さを増して……今この人と恋仲にあると思うと、なんだか照れくさい。

「そうなんです。回復して眠っている間に祝福の能力を使ってしまうと、どうなるのかわからなくて……というか、僕が由真と早く話したかっただけなんですけどね」

 ジュリアスは私に近づいておでこにキスをくれたので、お礼とばかりに唇にキスをしたら、すぐに若返った。彼はびっくりした表情になったけど、苦笑して離れた。

「やっぱり……こっちが好きだな。年齢経ても、もちろん素敵だけど……」

 ジュリアスは本当に素敵。別に顔が整っているとか、鍛えられた身体素敵とか、それは素敵すぎる中身に付く付加価値ではあるんだけど……同じ世代である方が嬉しいと思う気持ちがあるのも確か。

「ええ。見る目が全然違うので、僕もなんだか……複雑ではありますが」

 そんな彼の醸し出す甘い空気に、ずっと酔いしれていたい。

 けど、やっぱり気になってしまう。

 私に与えられた聖女の祝福について。

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