祝福のキスで若返ったかつての英雄に、溺愛されることになった聖女は私です!~イケオジ騎士団長と楽勝救世の旅と思いきや、大変なことになっちゃった~
「副団長。あのっ……私、お聞きしたいことがあります」

「私でよろしければ、なんなりとお聞きください」

 副団長はやけに恭しく頷いた。おどけた様子にも見えて、やけに無表情なだけで、割と話せる人なのかもしれない。

「あの王子って、なんでこの旅に付いて来ているんですか? 魔物を封印するのなら、聖女の私と騎士団の皆さんだけで事足りてますよね?」

 私はこの疑問が旅をする中で、一番に謎で不思議だった。

 聖女の私が居ないと、倒さなければならない魔物に攻撃が通らない。これは行くしかない。騎士団の皆さんが居ないと、私では魔物を倒せない。是非同行をよろしくお願いします。

 文句だけは一人前の馬鹿王子……城で吉報を待ってたら、それで良くない?

「……これは、ここだけの話にして欲しいんですが……」

 私の心からの不満を聞いて声を潜めて言いづらそうに言った副団長……団長は王子については言葉を濁すばかりだったけど、副団長は私に理由を言ってくれそう!

 私は無言で同意を示すように彼へ何度も頷いた。

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