祝福のキスで若返ったかつての英雄に、溺愛されることになった聖女は私です!~イケオジ騎士団長と楽勝救世の旅と思いきや、大変なことになっちゃった~

06 告白

 団長が城へと戻り彼の息子が代理として参加すると発表されてからも、特に大きな混乱などはなかった。

 発表前に大きな鳥型の魔物が現れて、割と強いみたいだけどそれをジュリアスがあっさりと倒してしまったせいもあるかもしれない。

 夕食前に集まった皆へ副団長ハミルトンさんは、無表情なままで淡々と団長は王に呼ばれて帰ったけど息子さんが代理で来てますという事情を話し、団長の隠し子発覚で多少騒ついた程度だった。

「団長って……やっぱり、女が居たんだな……しかも、成人済みの息子まで居たのか」

「あの人は汚れてしまった英雄なんだから、家族の為に表向きは独身を通すしかなかったんじゃないか……」

 ボソボソと内緒話が耳に入り団長の部下にあたる騎士たちの噂話を聞いて、私は驚いた。汚れてしまった英雄……?

 団長のことを語る時は常に「あの人なら大丈夫」と言われるばかりで、そんなの……初耳だけど。

 当事者であるジュリアスはハミルトンさんに紹介されてから、にこやかに部下たちのの輪に入って、そつなく挨拶をしているようだ。

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