祝福のキスで若返ったかつての英雄に、溺愛されることになった聖女は私です!~イケオジ騎士団長と楽勝救世の旅と思いきや、大変なことになっちゃった~
思ったより近くに来て居たジュリアスは、私の顎を持ち上げて背をかがめると自然な動きでキスをした。
今までは単なる事故だったり、そっと触れるだけだったりしたけど……これは普通のキスだった。
慰めるためにキスをしたことを、今謝られたの……?
わからない。けど、角度を何度か変えたキスに夢中になっていたのは、他でもない私の方だった。
「……ジュリアス」
「泣き止みましたね」
ジュリアスには思った通りになったのか、にっこりと微笑んだ。まんまと思うがままになった私は……彼のことが本当に好きなんだと思った。
「ジュリアス。好き……」
いつも真面目で優しくあの馬鹿王子だってちゃんと叱って目の前の人を大事にしてくれる彼のことが、本当に好き……元の世界の私と、正反対のような存在。
「……聖女様。それが元の世界から逃げたいだけの理由であれば、僕はお受け出来ません」
ベッドに座ったままだった私は背の高い彼のはっきりとした言葉に、はっと上を向いた。
ジュリアスの目は真剣だったし、私は彼の言葉をすぐに否定も出来ない。
元の世界に帰りたくないと思ったのは確かだし、普通に生きていれば出会える訳もない素敵な騎士ジュリアスを好きになったのも……確か。
けど、私を見つめるジュリアスの目は真剣で生半可な理由では、ここは切り抜けられなさそうだった。
今までは単なる事故だったり、そっと触れるだけだったりしたけど……これは普通のキスだった。
慰めるためにキスをしたことを、今謝られたの……?
わからない。けど、角度を何度か変えたキスに夢中になっていたのは、他でもない私の方だった。
「……ジュリアス」
「泣き止みましたね」
ジュリアスには思った通りになったのか、にっこりと微笑んだ。まんまと思うがままになった私は……彼のことが本当に好きなんだと思った。
「ジュリアス。好き……」
いつも真面目で優しくあの馬鹿王子だってちゃんと叱って目の前の人を大事にしてくれる彼のことが、本当に好き……元の世界の私と、正反対のような存在。
「……聖女様。それが元の世界から逃げたいだけの理由であれば、僕はお受け出来ません」
ベッドに座ったままだった私は背の高い彼のはっきりとした言葉に、はっと上を向いた。
ジュリアスの目は真剣だったし、私は彼の言葉をすぐに否定も出来ない。
元の世界に帰りたくないと思ったのは確かだし、普通に生きていれば出会える訳もない素敵な騎士ジュリアスを好きになったのも……確か。
けど、私を見つめるジュリアスの目は真剣で生半可な理由では、ここは切り抜けられなさそうだった。