イケメン過ぎる後輩くんは、可愛い先輩を甘やかしたい。
「どっちにしろまた来たらちゃんと言ったほうがいいよ。お付き合いできませんって」

「そ、そうだよね…その場の勢いではいって言っちゃったけど、よく考えもしないでお付き合い始めるのはよくないよね……!」

「そうそう、赤澤くんもきっと本気じゃないだろうし」

「そっ、そっか……!」

 そうだよね。

 赤澤くんが私なんかに本気の告白なんて、するわけがないもん。


 そう思って深く頷いた、そのとき。

 廊下側の窓からふわり、気配がした。



「俺、本気ですよ」



 すぐそこに、窓枠に頬杖をついて微笑む赤澤くんがいた。



「!?」
 
「「キャー!!」」


 茉穂ちゃんトモちゃんの絶叫を聞いたクラスメイトの女の子たちが赤澤くんに気が付いて、同じように悲鳴をあげ始める。


「え!?依澄くん!?」「本物!?なんで三年の教室に!?」「キャー!!可愛い~!かっこいい~♡」


 廊下にはほかのクラスにいた女の子たちも出てきて、少し距離を取って一年生の赤澤くんにキャーキャー言っている。
 その様子は本当にアイドルが学校に来たみたいだ。

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