イケメン過ぎる後輩くんは、可愛い先輩を甘やかしたい。
 赤澤くんは、図書室の常連だった。

 私がたまたま当番のことが多くて、赤澤くんはその都度よく話しかけてくれた。

 こんな地味な女子にも話しかけてくれて優しいなぁ、かっこいいなぁ、女の子たちが騒いじゃうのも納得だなぁって思ってはいたものの、お近づきになろうなんて気は毛頭なかったから、まさかこんな事態、想定してない。


「……わかんないですか?もう一回言いますね」
 
「へ!?いえ、あの、」
 
「先輩」

 
 言わなくていいです、の意味を込めてブンブンと首を左右に振るも、赤澤くんは透き通る瞳で私をじ…と見据えて、
 
 
「好きです」
 
「……っ」


 爆弾を連投する。


「好きです。 好きです、好きです」


 赤澤くんの熱量に押され、背中が本棚にぶつかった。

 
「めっちゃ好き。大好き」
 
「ちょ、待っ、……っ!」


 壁ドン、じゃない、棚ドンしないでくださいっ!

 
「あーかわいい。顔真っ赤になっちゃいましたね」


 赤澤くんにこんなせまられたら誰だって赤くなるよ!?
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