ゾンビゲーム 〜生死をかけて脱出せよ!〜
そう言ったのは春美だ。

誰も文秋を攻めたりはしないということを、わかってほしかった。




「それにしても」




と、梨乃は通路の先へ視線を向ける。

通路の中はさっきと同じようなもので、オレンジ色の光で照らされている。

この先へ進めば今度は第3の部屋に出るはずだ。




「本当に、このまま進んでいくべきだと思う?」




梨乃は真っ直ぐに伸びている通路の先を見つめて、ふたりに聞いた。

ふたりから返事はない。

できればもうこれ以上進みたくはない。

だけど進まないと出口はない。

八方塞がりな状態だった。




「ずっと通路にいたら、誰か来てくれないかな?」
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