厄介払いされた聖獣王女ですが、冷徹なはずの皇帝陛下に甘やかされています
「陛下に取り入ってなどおりません。何度も申し上げますが、誤解なのです」
切実に訴えたが、今度はブルーネルがキンキンと響く声で攻撃してくる。
「とぼけるんじゃないわ! 先ほどの夕礼でも、陛下があんたのほうにちらりと視線を向けておられたのを、わたくし見たんだから!」
それを聞いたフランは目を丸くした。
(陛下が、私のことを気にして――?)
真偽のほどはわからないが、本当だとすれば、なにを思ってのことだろう。
その理由は、少し頭を捻れば想像がついた。期待も手伝って、つい口を滑らせてしまう。
「それは多分、陛下が可愛がっている動物と、私の髪の毛の色が似ているから……?」
すると目の色を変えたカーネリアが、噛みつくように言った。
「どうしてあなたが、そんな情報を知っているわけ!?」
どうやら墓穴を掘ってしまったらしい。弁明に迷っているうちに、令嬢たちの怒りが爆発した。
「本当に目障りだわ!」
「おまえなんてお呼びじゃないのよ! 消えなさい!」
詰め寄られ、どちらからともなく白い手が伸びてきたと思うと、ドンと肩を押される。
(えっ……!?)
切実に訴えたが、今度はブルーネルがキンキンと響く声で攻撃してくる。
「とぼけるんじゃないわ! 先ほどの夕礼でも、陛下があんたのほうにちらりと視線を向けておられたのを、わたくし見たんだから!」
それを聞いたフランは目を丸くした。
(陛下が、私のことを気にして――?)
真偽のほどはわからないが、本当だとすれば、なにを思ってのことだろう。
その理由は、少し頭を捻れば想像がついた。期待も手伝って、つい口を滑らせてしまう。
「それは多分、陛下が可愛がっている動物と、私の髪の毛の色が似ているから……?」
すると目の色を変えたカーネリアが、噛みつくように言った。
「どうしてあなたが、そんな情報を知っているわけ!?」
どうやら墓穴を掘ってしまったらしい。弁明に迷っているうちに、令嬢たちの怒りが爆発した。
「本当に目障りだわ!」
「おまえなんてお呼びじゃないのよ! 消えなさい!」
詰め寄られ、どちらからともなく白い手が伸びてきたと思うと、ドンと肩を押される。
(えっ……!?)