夢幻の溺愛

そうして一週間か経ち、二週間が経ち、一ヵ月が経とうとしている時のこと。



「え、、ぶ、舞踏会!?わたし、が⋯?」



それは、朝起きると部屋の扉の下の方にすべり込んでいて。

バラの形をした封を切ると、人生で初めてのわたし宛ての舞踏会への招待状というものが入っていた。

美麗な透かし彫りがしてある招待状を手に呆然とするわたしに、もう聞き慣れたノックの音が聞こえる。



「入っていいか」



その声を聞いた途端、わたしは自分がまったく身支度をしていないことを思い出す。
「あ、もうちょっとだけ待って⋯!」
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