恋、花ひらく
桜の木
彼女に出会ったのは、
春だった。

桜舞う学校の中庭で、
ぼーっと空を見ていた。

その姿が綺麗で、
僕は思わず
写真を撮ってしまった。

シャッター音で
気付かれて、謝ったけど
彼女は笑ってた。

「私を、撮ってたの?
綺麗に撮れた?」

彼女が携帯を
覗き込んできた。

近くてドキドキした。

「うん、綺麗に
撮れてる。
…時々ね、こうやって
空を見て
息抜きするのよ。」

「そうなんだ。」

確かに、空は綺麗だった。
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