恋、花ひらく
しばらく歩いていたら、
車で菜々花先生が
付いてきた。
先生は救護班なので
保健の先生と一緒に
具合が悪くなった人が
居ないか巡回しているらしい。
僕はいっそのこと
具合が悪くなって
しまえば良いのに、と
考えていた。
そしたら先生に
心配してもらえる。
まぁ、そうなったら
必然的に学校に
逆戻りだろうけど。
それは嫌だ。
「宮原くん、大丈夫?
辛くなったら言ってね。」
そう声を掛けられて
はっと我に返る。
僕は笑って
「大丈夫です。」と返す。
やっぱり優しい人だ、先生は。
その直後、僕は目が回って
そこから覚えていない。
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