恋、花ひらく
トモはここに
毎月何回か姉の様子を
見に行かされているらしい。
菜々花先生は今年から
一人暮らしを
始めたばかりで、
心配した先生の
お母さんがトモを使って
偵察に行かせて
いるのだと言う。

その時、菜々花先生が
帰って来た。
「あれ?開いてる。
あら、中に入ってたの?
トモまで。」
「俺は毎月の母さんの使い。
そしたらこいつが外で
待ってるんだもん。」
「あぁ。ちょっと
ワケありで
ご飯を食べさせてるのよ。」
僕は体の事情と
両親が居ないことを話した。
「まったく。姉貴は
お人好しなんだから。」
トモはそう言って
呆れたように笑った。
「おせっかいかも
しれないけど
助けてあげたく
なったのよ。」
「ま、姉貴の好きにしたら?」
「ありがとう、トモ。
トモもご飯
食べていきなさいよ。
すぐ出来るから。
宮原くんは、
いつものように
寝てて良いからね。」
「はーい。」
僕はいつものように仮眠して
料理の匂いで目が覚める。
皆で食べて帰った。
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