甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。
ฅプロローグฅ




お父さん、お母さん。

17年間育ててくれて、本当にありがとう。


お父さんとお母さんと一緒に食べた最後の晩餐になってしまった冷しゃぶ麺、たいへん美味しゅうございました。

共にテレビで見たドッキリ特番、お腹を抱えるくらい笑いましたね。


────ところでいきなりですが。


あなたたちの娘は本日、命日かもしれません。



「なあ、本当にこいつであってんの?」


「の、はずだけどー?さすがにそこは間違えねえべ」


「だよな?例のとこなら尚更、ヴァローレ額も億は超えてるだろうし」



地面に散らばって散乱した宝物たち。

ステッカーやマスコット、キーホルダー、缶バッジ、クリアファイルに下敷き。


ひとつひとつ3時間くらいかけて語れるだろうグッズには、いつも笑顔を絶やさない君がいる。


尊い。

生きていてくれたことに感謝。
出会えた奇跡に乾杯。



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