本当の復讐
トンデモ転校生
散歩中、見知らぬおばあさんを助け、その孫である桁外れの美少年と少しだけ言葉を交わし、いのさんが家を訪ねてきたのは金曜日のこと。

月曜になり、私はかなり無理をしたとはいえ、どうにか再び登校することが出来た。

いのさんが心配して、何があったのか聞いてくるので、他の誰にも言わないで欲しいと念を押した上で、高橋くんと美亜のことを打ち明けたところ、

「何それ、高橋くんも美亜もクズじゃん!そんな奴らの為にメンタルやられるなんて、勿体ないよ!」

全くその通りだとは思うのだが、だからと言って、簡単に忘れられるほど私は単純ではないようだ。

「そうそう。中途半端な時期だけど、今日転校生が来るんだって」

いのさんに言われ、ふとあることを思い出す。

私も、小学1年生の頃、転校生だった。

しかし、父親がこの町に家を建てたこともあり、今はここが地元みたいな感じである。
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