本当の復讐
その日の帰り道、マルクは、

「もしかして、失恋のショックで成績下がったとか?」

あまりにも直球な質問だが、図星なので、黙って頷く。

数日間、学校も休んでしまったし、考えても仕方ないことばかり考えてばかりいたのも事実。

「あのさぁ。ちょっとした提案なんだけど」

「なに?」

「失恋を忘れるために、僕を利用したっていいんだよ」

「どういうこと?」

「別に僕のことが好きじゃなくてもいい。アイツらのこと忘れるために、僕と付き合ってみるのはどう?」

マルクの言動が突飛なのは、初対面の時からそうだが、あまりにも唐突な言葉に面食らう。
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