本当の復讐
美亜と高橋の思惑(三人称進行)
(あームカつく…!)

学校からの帰り道、美亜は、道端の小石を力いっぱい蹴飛ばした。

「そういうことするの、やめろよ」

隣で高橋が不愉快そうな声を出す。

「うるさいわね…私に説教するの!?」

苛ついた美亜がそう返すと、高橋は大きなため息をついて、

「史奈は、そういうことしなかったなぁ…」

高橋は、一時は、穏やかで優しい史奈よりも、小悪魔的な美亜に心変わりしたものの、最近は史奈のことが懐かしくて仕方ない。

彼女の親友との裏切りの恋、というシチュエーションも、刺激的で楽しかったが、今ではもう、美亜の性格の悪さに辟易している。

そもそも、純粋な史奈を裏切った高橋も高橋なのだが。

「何なの!?史奈のほうがよかったとでもいうわけ!?」
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