夢×恋グラフィティ
第3話❥勧誘
❥
「ハァ…。ようやく静かになったわ」
放課後。
私は誰もいない図書室の窓際で、1人静かに本を読みながら、平穏を満喫する。
数時間前、"塾かある"なんて鈴城くん達には、言ったけれど、それは真っ赤な嘘。
今日は、私にとって塾も、家庭教師もなくゆっくりできる唯一の日なのだ。
あの席、せっかく端っこなのに。
誰かさん達のせいで、悪目立ちするというか、騒がしすぎるというか…。
何が楽しいのか鈴城くんだって、なぜか私にムダに絡んでくるし…。
今では、真田くんより鈴城くんの方が苦手になりつつある。
「…真田くんよりヤツの方が面倒よね。明日からどうしよう…」
「俺が何?」
「…っ!?」
思わずこぼれた本音。
誰もいないと高を括っていたのに、突然後ろから声をかけられて私はビクッと身体を硬直させた。