君の一番になりたい 〜空に羽ばたく宝石〜
「違う」

那月side





「……………、なつき」





「…………?」




千絵が泣き腫らしたような目をしている。





どうしてだろう。





その様子に違和感を感じた。





りり、いない。




「りりは?」「………っ、うぅ」



少し泣きながら、千絵とその隣にいる高山が
説明してくれた。




りりの親と出会い話すのを禁止されたこと。


あと、少し聞こえた言葉だけど、
りりがいじめられたことが発覚したから転校するということ。



そしてもう学校には来ないということ。




「…………、くそが。」「ごめん、ショックで何もいえなかったの……」




どうしたら、りりを戻って来させれるだろうか。





やっと平穏になったのに。





「りり、ごめんって言ってた。お母さんの言うとおりにするからって……、隠れて泣いてたの………、」





「どうしよう…………っ、」




「  木野さん達どうしたの。」





声を発したのは、湯嶋だった。



「………、りりが、いじめのことが親にバレて転校するって……いってて、」





「…………!」




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