気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす

キスが、首筋から、肩、……と順番に下りてくる。

唇で優しく優しくなだめられながら、指先で弱いところを容赦なくいじめられて。


正反対な刺激に、もう、おかしくなりそう……。


「ここ、好きだよねお前」

「っや、ぁ〜っ、」

「甘い声止まんなくてかわいー、」

「んぅ……うぅ……っ」



生理的な涙がぽろぽろ零れる。

子どもみたいで恥ずかしいのに、止められない。

歴くんのことしか考えられなくて、歴くんを好きな気持ちと一緒にどんどん溢れて。



「はは、俺のせいでぐずぐずになっちゃったな……」



そう、ぜんぶ歴くんのせいだ。


こんなこと教えられたら、もっと離れられなくなっちゃう。

一生、忘れられなくなっちゃう。



───もし今後、

他の男の人と、結婚したとしても。



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