SENTIMENTALISM
玲の突然の登場で、冷静になったあたしは初対面の人達に泣き顔見られたことが急に恥ずかしくなり、慌てて涙を拭いた。
「ちげーよ。俺は紳士的な対応をしてただけ」
「……どうだか」
慧斗が笑うと、玲は呆れたように溜息をついた。
「で、あんた誰?」
無愛想な玲が、あたしを横目で見る。
青い瞳は綺麗だけど、まるでその奥には氷の世界が広がっているんじゃないかと思うくらいに冷たい。
見つめられると、息ができなくなる。
「……相田りくです」