SENTIMENTALISM
―――愛。
頭がぼんやりしはじめる。
視界が、薄れていく。
「そうだ。いい子だね。アイシテルヨ」
そう言ってあたしの制服のボタン一つ一つをはずしていく。
「アイシテル」
スカートの中を冷たくてゴツゴツした掌の感触がゆっくり昇ってくる。
これが、これが
愛なのだろうか。
みんなこんなものが欲しくて泣くのだろうか。
キモチワルイ。
これが愛なら、あたしもう何も要らない。
この身体も
この声も
この目も
この心も
全部捨てる。
最後に教えて。
ねぇ、本当にこれが愛なの?
ブラのホックを外された瞬間、何かがプツンと音をたてて切れた。
その瞬間、あたしは火がついた様に叫びはじめた。
「あぁああぁぁ!!!!」
ギョッとしたオジさんはあたしから飛びのく。
その瞬間あたしは、はずされた制服のボタンを手で押さえて部屋を飛び出した。
「りく?!」
梨紗の呼ぶ声にも、もう振り返らなかった。