断罪された公爵令嬢は自分が聖女だと気づき、甘い溺愛の中でもう一度人生をやり直す
「・・・・聖女リエナの屋敷の使用人たちに取調べを行ったが、皆、聖女リエナは一切関係ないと証言した。聖女リエナの力を考えると、使用人たちの証言が本当とは考えにくいだろう。しかし・・・・」

「証拠がないのですね・・・・」

「ああ。聖女リエナに聖女の力を使われると、証拠を集めるのは非常に難しい。すまない、エイリルがこんなに苦しんでいるのに、私は君の役にも立っていない」

「グレン殿下は私の役に立っていますわ」

「・・・・?」

「こうやってずっと私の手を握っていて下さった。それに、薄い意識の中でグレン殿下の声が聞こえたことがどれだけ嬉しかったか知らないでしょう?」

私はグレン殿下に微笑みながら、感謝を述べる。

グレン殿下は、私の微笑みを慈《いつく》しむように見つめていた。
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