断罪された公爵令嬢は自分が聖女だと気づき、甘い溺愛の中でもう一度人生をやり直す
「・・・・お父様、私は大丈夫ですわ」

「本当かい?」

「ええ。それよりも・・・・」

私はベッドから立ち上がり、深くお父様に頭を下げた。


「この度の一件、我がフォンリース公爵家の名誉を下げたことは間違いありませんわ・・・・本当に、本当に、申し訳ありません」


「エイリル、顔を上げなさい」


私はゆっくりと顔を上げ、お父様の顔を見つめる。

「エイリル、私の愛しい娘。エイリルは本当に聖女リエナ・シーラックを虐《いじ》めたのか?」

そう尋ねるお父様の声色はいつも通りとても優しかった。

まるで、私が罪を犯していないことなど分かっていると言わないばかりに。

お父様の優しい声に私は涙を堪えながら、なんとか声を出した。


「・・・・虐めてなどおりません。絶対に」


「ああ、知っている。私はエイリルほど優しい令嬢を知らない。我が娘ながら、本当に立派な令嬢に育ったと嬉しいくらいだ」

「エイリル、これだけは覚えておいてほしい。私は親としてフォンリース公爵家当主として、お前を誇らしいと思ったことはあれど、恥ずかしいと思ったことなど一度もない」

「エイリル、自信を持ちなさい」


お父様のあまりに温かい言葉に涙が溢れそうになる。
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