Xanadu
そんな母の声がして、それまでは空想の世界に居たのに、一瞬で現実世界に戻る。

「え?私は何ともないよ…」

そう言ったものの、次の瞬間には知らない大人たちが大挙して、私のことを押さえつけ、必死で抵抗しようとしてもどうにもならない。

辛うじて、私の口を塞ごうとした大人の手を力一杯噛むと、その大人は絶叫し、私は隙を見て逃げようとしたが、すぐに捕まってしまい、腕にチクリと鋭い痛みが走った。

その後、間もなく意識が朦朧とし、そこからは記憶がない。
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