異世界トリップして、猫獣人皇帝の赤ちゃんを身ごもり、新たな使命に生きることとなりました!
でも許される身分じゃないし、私は異世界の人間だ。
彼にはやらなければいけないことが山ほどある。
そんなとき、私は身ごもっていることに気がついてしまったのだ。
愛する人の子供を産みたい。
でも、異世界から来た私は正妻にはなれないし、シャネード様には婚約者がいた。
私が妊娠に気がついた頃から、彼は不在にすることが多くなって、ゆっくりと話をする時間もなかった。
もしかしたら、私という存在が邪魔になってしまったのかもしれない。
そんな悪い妄想を浮かべて、涙する毎日だった。
日に日にお腹が大きくなっていくので、このままではバレてしまう。
誰にも見つからない場所で子供を産んで育てるしかない。
このままここで過ごしていても、命を狙われてしまうだけだ。
二人が愛し合っていた時間は幻ではないと信じているけれど、大切な子どもの命を守るため、逃亡することを決めた。
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