あなたと想いが通い合う日を私、……ずっと待ってたはずなのに

第11話 大地に会いたい

 私は、陣内先生と話をしているあいだ、ずうっと大地に会いたい気持ちが胸の中を充満して溢れ出しそうだった。

 ――好きがこぼれる。

 知歌《ちか》のことも思った。

 大地のことを知歌も好きだって言った。
 知歌は私の大事な友達だ。

 だから私は大地とは付き合えないけど、でも大地のそばにいて寄り添いたい。

 会いたい!

 会いたいよ、大地。

 陣内先生とさよならしてから、私は学校から飛び出すように走って帰った。

 なんでも言うって約束したよね? 私たち。

 なんで言ってくれなかったの?

 大地は遠くに行っちゃうの?

 引っ越したら会えなくなる。

 嫌だ、嫌だよ。

 大地に会えなくなるなんて、絶対に嫌だ!

 私は涙が溢れて止まらなかった。

 好きな人が遠くに行ってしまう。手の届かない場所に行ってしまうなんて、耐えられない。

 私は大地にちゃんと自分の気持ちを伝えたいと思った。

 付き合って恋人同士にはなれないけれど、私は大地に好きだと伝えたい。


 雨上がりのところどころ、水溜りがある道を、跳ね返りも気にせずに私は走る。

 大地の家に、大地に会いに行く。
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