本当は誰よりも可愛い君。~君の全てを守りたいから
「何してるの?」

 花田さんを睨みつけながら陽大くんが聞いた。

「何って? ここに忘れ物しちゃったみたいで……」

 花田さんの目が泳いでいた。

 絶対にウソ……。今花田さんは忘れ物をしたって言っていたけれど、最近私たちのクラスは授業でここに来ていないし、花田さんがここに来る用事ってないはず。

「あ、鍵使う? じゃあ、またね」

 陽大くんが鍵を受け取ると、花田さんは被服室からそそくさと出ていった。

 急いで私たちは衣装がある準備室へ。
 カバーをとり、すみずみ衣装を確認した。

「破られていたりは、してないな」
「ね、無事でよかった……」

 すごくすごく大切な衣装。
 ぐちゃぐちゃになっていたらどうしようって不安だった。傷つけられていなくてほっとした。

 それにしても、花田さんは何をしていたんだろう――。
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