義理の妹に計画的にハメられたけれど、大好きな幼馴染だけは渡しません!
悔し涙
すでに夕方になっていたけれど、花子はなかなか家に戻ってこなかった。
まだ健太と一緒にいるのだと思うと胸が痛くてやるせない気持ちになってくる。

ずっと自分の部屋に引きこもりっぱなしの絵美を心配してお母さんが声をかけてきてくれたけれど、寝た振りをしてやりすごしていた。
今は誰とも会いたくない。

夕方になったとき、ようやく玄関が開いて花子が帰ってきた物音がした。
絵美はベッドの布団から顔をあげてその足音を聞く。

花子は真っ直ぐに二階へ上がってきて、隣の部屋に入っていってしまった。
そのときに自慢するような鼻歌が聞こえてきて絵美は唇を噛み締めた。

あんな年下の子にいいように遊ばれている気がしてくる。
とにかく、万年筆だけは返してもらわないと。

そう思ってベッドから降りて隣の部屋へ向かった。
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