この光が消えても~雪とイルミネーション物語
「あの時のメイク、いつもより更に可愛くて実はドキってしてたんだよ。今思い出した。今度こそ寝ます。おやすみ」

 あの時はツンだったのに、今はデレ。

 いや、当時も実は彼の心の中はデレだったのかもしれない。

 街のイルミネーションを眺めた後、買い物をしていると100円ショップが目に入ったからなんとなく中に入った。クリスマスグッズはすでに隅に置かれてある。お店に並んでるライトを眺めていると、あの日の彼を鮮明に思い出す。

 そっか、デレになったのって、私があの日彼に、考えてる事伝えてって言ったからかも。あれから変わったな……。

 彼の事を考えながら商品を色々見ていると、うちのテレビ台に飾ってある、光る雪だるまの隣が似合いそうなトナカイを見つけた。それを買って店を出た。

 彼の風邪が治ったら、点灯している時にモニュメントイルミの中で両手を繋いで向かい合うんだ!

 想像しながらケーキを買って、家に帰った。

 クリスマスの10日後、私の想像を超えることが起こる。
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