つまらない日々に花が咲いた

9.これがやきもち?

「美緒、一緒にチョコ作らない?」
美琴に誘われた。

もうすぐ、バレンタインデーだった。

「ああ、そんな時期か!
いつも義理チョコを男子たちに配って終わっていたからな。
もちろん買ったやつ。」
私は美琴にそう言った。

「私、彼氏に手作りを作りたいの。
 美緒も先輩に渡すでしょ?
 だから一緒に作ろうよ。」
美琴には彼氏がいる。手作りを渡したいようだ。

『私は加納先輩にチョコを渡すの?』

結局、バレンタインデーの前日に、
美琴と陽菜と3人で
私の家で手作りチョコを作ることになった。

3人で一生懸命、ハート型や花型のガトーショコラを作った。

「これで彼氏に渡せるわ。」
3人で今作った自分たちのガトーショコラを食べながら、
紅茶を飲んでいた。

「美緒、加納先輩に渡すんだよ。
ずっと返事待たせてるんでしょ?」
美琴に言われ、曖昧な頷きをした。
「頑張ってね!」
陽菜にも言われた。

『これを渡すってことは、返事をしなきゃいけないのかな?』
私は悩んでいた。
『私は先輩が好きなんだろうか?』
『特別な存在なんだろうか?』
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