つまらない日々に花が咲いた

10.事件が起きた

それからも時々授業をサボって『いつもの場所』にいた。

加納先輩も時々きていて、一緒に過ごすこともあった。
お互い別々のことをしながら、
一緒の空間にいても嫌じゃない。
むしろ安心感をもっていた。

ヒーターに当たりながら、並んで座っていると
加納先輩の頭が肩に乗ってきた。
加納先輩は居眠りをしていた。

起こすのも悪いので、私もそのままじっとしていた。
『かわいい』
加納先輩に対して、そんな思いを抱いた。

チャイムが鳴った。
加納先輩は目を覚ました。
「あ、ごめん。」
加納先輩は、慌てて頭を起こして言った。
「全然大丈夫ですよ。」
ほんわかした空気が流れた。

「教室に戻ります。」
そう言ってその場を離れた。


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