甘やかで優しい毒〜独占欲強めな彼に沼る
7
大量に出たゴミを会社のゴミ置きのカゴに入れてから、私達は遅れて打ち上げ会場入りした。

「遅くなりました」

「お疲れ様でした」

既に始まっていたが、私達は、声をかけて席につこうとした。

「高山さん、こっち座ってください」

女性アルバイトの一人が積極的に、高山チーフの腕を取り、自分の隣に座らせようとする。

つい、1時間ほど前ぐらいに、自覚して告白したばかりの身としては、面白くはない。

「ごめんなさいね。主催者側の方にご挨拶に行かないといけないから、また、後ほど伺うわ」

「えー」

「悪いな。まだ仕事中なんだ。だが2日間頑張ってくれてありがとう。後で、機会があれば来るよ。沢内と楽しんでて」

「絶対ですよ」

苦笑いして、私達は、朝日ホームさんのスタッフがいるテーブルへ向かった。

「遅れて申し訳ありません。楽しまれてますか?」

「あぁ、高山さん、小柴さんお疲れ様でした。とても大盛況で、何件かの問い合わせがあって、うちとしては、喜ばしい話ですよ。来年もお願いしたいですな」

「そう言って頂けてよかったです。是非、その際は、お声掛けください」

「あははは。是非是非」

このご時世でも、酒を注いでまわるのは、どうかと思うが、これも、世を渡る術。
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