甘やかで優しい毒〜独占欲強めな彼に沼る
「小柴、来い」

私の上司である高山チーフが、企画書を筒状に丸め、険しい顔つきで、ついて来いと顎で促してくる。

私が会議室へ呼び出しされる光景に、チームの皆は、ご愁傷様と苦笑している。そんな中、筆記用具を持って席を立ち、とぼとぼと後をついていく。

私、小柴 菜々緒は、株式会社アシスト企画で働き出して3年目。

この仕事がしたくて飛び込んで就職したが、去年辺りから、私には不向きな職業なのかもと悩みだしている。

我が社は、うちの社長がまだ学生時代に中心になって行った学園祭のイベントをきっかけに、友人である井森マネージャーと始めた会社で、設立10年目になるが、他所と比べたらまだまだ知名度の低い小さな会社。だが、祭りとつくイベント企画は得意分野で、企画から開催までお手伝いをする為の人材を雇い、機材等のレンタルもしている。

ミーティングルームの窓際に立った男は、背丈もあり、長い手足を前で組んで待つ姿は、絵になる。

外での待ち合わせで待つ姿なら、通りを歩く女性達が見惚れること間違いなしの容姿の持ち主なのだ。

社長を慕って入社したとのことだが、モデルにでもなれば良かったのではと思う。

顔はいい。
だが私は、この男のことが嫌いだ。
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