甘やかで優しい毒〜独占欲強めな彼に沼る

あれほど抱かれたというのに、自身の信じられない欲望の貪欲さに呆れてしまう。

「抱かれすぎて頭バカんなったのかしら」

頭を抱えていたら、ベットのスプリングが沈んで高山チーフが目の前にいた。

「どうした?頭痛いのか?」

「いーえ。大丈夫です。離れてくださいよ」

「なんでだよ」

不満顔で顔を近づけくるので、困るのだ。

「もう、満足したでしょう」

「なに言ってるんだ?」

「だから、恋人でもないので、終わったら優しくしなくて大丈夫です。ちゃんとわきまえてますから…」

「…はぁっ?マジで言ってるの?や…いーわ。今、言っても伝わんないんだろ。俺のやりたいようにやるから、お前は、よーく考えろ」

「何がですか?」

「俺のすることの全ての意味」

「はい?」

「兎に角、風呂行くぞ。ほら、腕回して掴まれよ」

高山チーフの首にしがみつかまされて、お姫様抱っこというには無様な姿で、浴室へ向かったのだ。

髪から指先まで洗われて、途中、不埒な指先に、物申す場面もあったが、そこはあの笑顔で誤魔化してきて、なぜかチュッと可愛いリップ音を唇に残して、澄まし顔でいる。

ムカツクのは、鏡に映る自分の体の惨劇だった。

「信じられない」

私の叫びに、にんまりと笑い頭部にキスで誤魔化す男。
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