熱愛発覚中
自分の手が牛島さんの手と重なったかと思ったら、その手は繋がった。

「人が多いから逸れると面倒だ」

…だから、優しくしないで欲しいんだってば。

繋がれたその手にも、理由にも、勘違いをしてしまいそうになるから優しくするのはやめて欲しい。

「莉理、聞いてる?」

牛島さんに声をかけられたので、
「…聞いてるよ」
と、私は答えた。

ちゃんと、いつも通りに答えることができているだろうか?

牛島さんの通りである、サバサバしている面倒じゃない自分になれているだろうか?

「何かあったら声をかけろよ」

牛島さんはそう言うと、私の手を引いた。

この手から私の気持ちが彼に伝わらないだろうかと、そんなことを思ってしまった。

パーティーは、まだ始まったばかりだ。
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