宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜

4.初めての感情 side.宝



 結瑠は急にワインを一気飲みしたかと思うと、頬が少し赤らんで目がとろんとし始めた。不覚にもその表情に艶っぽさを感じてしまい、喉が鳴る。


「どう見えてるかしらないけど、金剛さんみたいな人に好かれるような女じゃないれす……。
未練がましくて嫌な女なんれすよ……っ」


 急に呂律が回らなくなった。酔っているのだろうか。
 まだワイン一杯のみで、あの夜はもっと度数の高いカクテルを二、三杯飲んでいたような気がするが。

 結瑠はワインボトルをガシッと掴み、自分でグラスに注ぎ始めた。止める間もなく、再び一気に流し込む。


「結瑠、そんな飲み方をしては……」

「えー?なんれすか〜?」

「っ、」


 とろんとした瞳でへら、と笑うのがあまりにも可愛すぎる。心臓の鼓動がかなりうるさい。

 あの夜以来、俺はずっと結瑠に翻弄されている。
 結瑠と再会してその思いはどんどん膨れ上がっている。


「へへ、幻滅しました?ほんとはわたし、こうなんれす。後輩に飲み方がオヤジっていわれてかわいくないんれす」


 かわいくない?どこがだ?


「あのときはせのびしてたから……」


 つまりこっちが本来の酔った時の結瑠ということか。なんだこの無防備さは。
 心底結瑠が話しかけたのが俺でよかったと思う。もし他の男に見つかっていたらと思うと、気が気じゃない。

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