宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜

5.歩み寄るデート



「……ん、」


 目覚めたら、冬の寒さと共に何とも言えない気怠さを感じた。
 まだぼんやりとした頭で今は何時だろうとスマホを探す。


「はっはちじはん!?」


 いけない、遅刻しちゃう!
 勢いよく飛び起きたところで、トントンとドアがノックされた。


「結瑠、起きたか?」

「お、おはようございます。すみません、遅刻しそうなので……」

「今日は休みじゃなかったか?」


 そう言われてハッとした。そう言えばそうだ。
 今日はシフトがない日だった。


「忘れてました……」

「朝食の用意できてるけど、まだ寝ててもいい」

「いえ……いただきます。ありがとうございます」

「下で待ってる」


 そう言って金剛さんは出て行った。

 改めて私はスマホを見てカレンダーを確認する。今日は出勤日ではないとはっきり書かれている。

 私らしくないポカだなぁと思ってから、ハタと気づいた。
 そもそもいつ寝たのか記憶にない。

 確か昨夜は金剛さんに夕食を振る舞って、来客用の高級ワインを空けてくれて二人で乾杯した。
 その後は?


「…………」


 サーーっと血の気が引いた。
 途中からまるで記憶がない。もしかして、またやってしまったのだろうか?


「金剛さん!」


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