大好きな君が勇気をくれたんだ

【つかんで離さない】

「ただいまー」

「おかえりー」

玄関のドアを開けると奥の方から声が聞こえて段々足音が近づいた。

「ちょっと、また歌ってきたの、いい加減に勉強を…」

そこまで言ったところでお母さんは理玖に気がついた。

「お邪魔します」

「あ、えっと」

私は理玖をなんて説明しようか迷う。

「初めまして、芹那さんのクラスメイトの成宮理玖と申します」

「最近っ」

私が発した声は案外大きくて2人とも私を見た。
< 60 / 74 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop