天才パイロットは契約妻を溺愛包囲して甘く満たす

 トン、と検索の文字をタップすると、画面に【しばらくお待ちください】の文字が現れ、待機中を示す水色の円が、くるくると回る。

 間もなく画面が変わり、当日運航される伊丹行きの便が、上から時間の早い順に並んだ。

 しかし、早い時間帯のチケットはほぼ満席表示。直前だから仕方ないとはえ、心が曇ってくる。

 この分では嵐さんが担当する最終便も……。

 祈るような気持で画面をスクロールさせる。おそるおそる見つめた一番下の最終便チケットは【残席一】となっていた。

「あった……」

 嘘みたい。早く取らなくちゃ。

 座席表で席の場所を確認するのもそこそこに、予約画面へと移る。

 嵐さんを驚かせることになったっていい。子どもじみた嫉妬に呆れられてもいい。

 ノアさんにあなたを取られたくないと、素直に伝えたい。

【ご予約ありがとうございました】

 手続き完了の画面を確認し、ようやくひと息ついた。冷静になってみると、こんなに衝動的に飛行機のチケットを予約したのは初めてだ。

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