初恋リメイク!
プロローグ


 ピ、ピ、ピイーーっと、試合終了を告げるホイッスルの音がフィールドの中を駆け巡る。

「やったあ!優勝だよ!」
「すごーい!」

 スタンドから声援を送っていた堀内学園(ほりうちがくえん)中等部の応援団一行は、男子サッカー部の県大会優勝の偉業にすっかり湧いていた。

 皆が肩を組んだり、手に手をとってはしゃいでいる中、私は感動で震えていた。
 
(優勝……?本当に?)

 私は信じられない面持ちでスタジアムの電光掲示板を見つめた。

『2-1』

 スコアは確かに我らが堀内学園の勝利を示していた。
 スーハーと肺いっぱいに息を吸い、吐き出していく。
 ドキドキして心臓が今にも身体から飛び出していきそう。
 私はこの試合に、ある願掛けをしていた。

 ――もし、憧れの先輩が所属するサッカー部が県大会で優勝することが出来たら、思い切ってファンレターを渡してみたい。

 というわけで――久賀山晶(くがやまあきら)、十三歳、中学一年生。

 憧れの小鳩(こばと)先輩に突撃します!

< 1 / 59 >

この作品をシェア

pagetop