白い空をまた君と見たくて
いつだったか、“あの方”に言われたことがある。

そう、あれは冬、私の合格発表と共に、言われたことだった。
『いい?覚えておいて、麗。君の能力は、諸刃の剣、なんだ』

寒い北風の吹く中、1000mを軽く走り終えて、今から練習しようというときに言われた言葉。

『諸刃の…剣?どこが?私の能力なんて、身体能力と作文の構成力だけ…』
『うーん、なんて言えばいいのかな。身体能力のように消える可能性のない、強い能力だ』

身体能力が、消える能力。その言葉に、私の心臓はドクンと嫌な音を立てた。

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