私の彼は、一途な熱血消防士

怪我と告白と 2

「え? ……ちょっと、その腕……!!」

 小春は目ざとく私の左腕へと視線を走らせ、一緒にいる誠司さんへと視線を向けた。

「今日、職場で夏祭りしてたんだけど、ちょっと火傷しちゃってね。大塚さんがそばにいてくれたから、この程度で済んだの。小春は今から休憩?」

「うん。入院してる患者さんの容体が急変して、休憩がずれこんじゃってね……。って、何? 愛美の付き添い? いつの間に二人はそんな関係になったの?」

 小春が揶揄い気味に私たちへ声を掛けると、誠司さんが口を開いた。

「俺はそういう関係になりたいから、今から時間をかけて愛美先生を口説こうと思ってるところ」

 ものすごい爆弾発言に、私は瞬間湯沸かし器のように顔が熱くなり、小春は悪代官のようにニヤリと悪い微笑みを見せる。

「あらあら、ついに愛美にも春が訪れる日は近いのね。日浦のこともちゃんと話して、力になってもらいなさいよ。ちょっとここで色々二人の話を聞きたいところだけど、お昼を早く食べないと。私、まだ仕事が残ってるからまたね」
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